マダガスカル南部、アヌシ・トゥリアラ地方の dry shrubland に自生する、ゴマ科ウンカリーナ属の中小型コーデックス。命名権威は Rauh, 1996 年(属内では比較的新しい記載)で、種小名はスイスの植物収集家 Reto Rösli への献名。樹高 1〜3m、属内では小型寄りで葉は心臓形〜やや切れ込みあり、夏に桃〜赤紫色の大輪 5 弁花を咲かせる(属内の他主要種が黄色花なのに対し、本種は赤系の色彩が最大の魅力)。鉤付きの硬い果実は属の共通特徴。流通量は grandidieri / decaryi より少なめで、花色を求めるコレクターに愛される実生(みしょう)種。
育て方
置き場所・日当たり

南マダガスカルの dry shrubland で、強い日射と乾季のメリハリを経験して育つ夏型樹木。生育期は屋外で終日直射に当てると、コンパクトな樹形が締まり、花付きも安定する。日本の真夏は遮光 20〜30% で軽く葉焼けを防ぎ、棚上で風通しを確保したい。冬は雨を避けて 8℃ 以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、乾燥越冬させる。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理する。本種は他の主要 Uncarina より一段乾燥寄りに振った方が安全で、過湿で根が傷みやすい。秋以降は徐々に水を切り、冬は月 1 回程度の軽い霧吹きに留める。
用土
水はけ最優先で無機質中心に組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。本種は小型で根の張りが控えめなため、深鉢より中深鉢で扱いやすい。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月 1 回、または緩効性肥料を植え替え時に少量混ぜる。本種は花を楽しむ種でもあるので、リン酸主体の肥料が花付きを安定させる。
温度・冬越し
生育適温 22〜35℃、最低 8℃ が目安。マダガスカル産で寒さに弱く、5℃ を切ると枝先が傷み、湿土+低温は致命的。秋に葉が落ち始めたら早めに水を切り、明るい室内窓辺で乾燥越冬。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。浮く種は中身の充実が足りない傾向。ゴマ科特有の硬い種皮を持つため、スカリフィケーション(やすりで種皮に軽く傷を入れる)を行うと吸水が改善する。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、熱湯やレンジで事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は 1cm 以上空ける。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃ を安定キープ。発芽は 10〜30 日、流通量が少ないため鮮度落ちでばらつきが大きくなることも。
水やり
鉢底 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾燥させず、発芽が揃ったら段階的に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍に薄めた液肥を月 1〜2 回。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2 年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換え、サーキュレーターで通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに LED 距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足、種皮が硬く吸水できていない
- 予防: 流通量が少ない種なので信頼できる入手元を選び、軽くスカリフィケーション、加温マットで 25〜30℃ を維持
注意点
成熟した果実は鋭い鉤を備え、衣類や指に強くひっかかる。剪定や種採取の際は革手袋を着用する。




