ナミビア中西部、ナウクルフト山地の岩場に自生するブドウ科の塊根植物。命名権威は (Hook.) Desc.、1864 年に Vitis bainesii として記載され、1967 年に Descoings が Cyphostemma 属へ移した。種小名は南部アフリカと豪州を旅した英国の探検家・植物画家 Thomas Baines への献名。樹高1〜2m 止まりで、近縁の C. juttae より低くずんぐりとしたボトルツリー状の幹を持つ。樹皮は薄紙のように剥がれて灰緑色の肌をのぞかせ、夏に三出複葉を広げ橙色のブドウ状の果実をつける。流通量も多くコーデックス入門の定番種として親しまれている。
育て方
置き場所・日当たり

ナウクルフト山地の岩盤やボルダーの基部、標高1,200〜1,800m の乾いた斜面で強烈な直射を浴びて育つ。生育期は屋外で終日直射に当てると、塊根が締まり樹皮の薄皮の剥がれも美しく仕上がる。日本の真夏は遮光20〜30%で葉焼けを軽く防ぎつつ、棚上で風通しを確保する。鉢内のムレに弱いので地面直置きは避け、サーキュレーターで風を通すと安定する。落葉後の休眠期は雨を避けた明るい室内窓辺で乾燥越冬させる。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理する。受け皿に水を残さない。秋に葉を落とし始めたら水を絞り、休眠期は完全断水で乾かし越冬する。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。塊根が太る種なので深鉢でドレンを十分に取り、乾湿のメリハリを付ける。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。与えすぎは枝の徒長と樹皮の質感低下を招くので、ゆっくり太らせる意識で控えめに。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃、最低5℃が目安。属内では比較的寒さに強く、乾いていれば短時間の低温には耐えるが、湿土+低温は致命的。落葉後は完全に乾かしてから明るい室内窓辺へ取り込む。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まない種は充実度が不足している目印。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌して立ち枯れを抑える。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃をキープ。発芽日数は7〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種であれば発芽しやすい部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレーターで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先から新鮮な種を入手、加温マットで25〜30℃を安定維持
注意点
ブドウ科特有のシュウ酸カルシウム針状結晶(raphides)を含み、樹液は皮膚や粘膜を刺激する。剪定や植え替え時は手袋を着用し、橙色の果実も食用にしない。



