1832年に Terán & Berland. が記載した、テキサス州南部からメキシコ北東部(コアウイラ・ヌエボレオン・タマウリパス)のタマウリパン・ソーンスクラブに自生するトウダイグサ科の塊根植物。シノニム Jatropha berlandieri Torr. の名でも広く流通し、日本の専門店では「ヤトロファ・ベルランディエリ」「錦珊瑚」の名で出ることも多い。淡い灰白色の球状塊根が地中に半ば埋もれ、生育期は深く切れ込んだ掌状の葉と鮮やかな赤〜サンゴ色の小花を立ち上げる。種小名 cathartica は「下剤」の意で、種子が伝統的に強力な瀉下剤として用いられた歴史を背負う、ホルボールエステルを含む全草強毒種。
育て方
置き場所・日当たり

テキサス南部〜メキシコ北東部の石灰質カリーチや砂礫の斜面、タマウリパン・ソーンスクラブの茂みの隙間で強い日射を浴びて育つ。生育期は屋外で終日直射日光に当てると、塊根が締まり葉柄も間延びしない。日本の真夏は遮光20〜30%程度に抑えて葉焼けと蒸れを防ぎつつ、棚上で風を通す。冬は落葉して完全休眠に入るので、雨を避けた明るい室内窓辺へ取り込み、5℃以上を保って乾燥越冬させる。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで塊根を太らせる。冷涼+過湿で腐りやすいので受け皿に水を残さない。落葉後は完全断水で越冬。
用土
水はけと通気性最優先で無機質中心に組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。深鉢で乾湿のメリハリを付けると球状塊根が傷みにくい。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。与えすぎは葉柄の徒長と塊根の間延びを招くので控えめに。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃、最低5℃が目安。テキサス産でパキポディウムの podagrica より耐寒性はあるが、湿土+低温は致命傷。落葉後は雨を避けた明るい室内窓辺で完全乾燥越冬。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まない種は鮮度低下が進んでいる場合が多い。種子に毒性があるため、扱いの前後で必ず手を洗う。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌しておくと安心。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰またはLED環境で、25〜30℃を安定維持する。発芽日数は7〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種であれば発芽しやすい部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレータで通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マットで25〜30℃を維持
注意点
種子は毒性があるので、子供やペットからは遠ざけたい。
