台湾植物相研究の早田文蔵が1913年に Stephania cephalantha として記載したツヅラフジ科の蔓性塊根植物(流通では cepharantha 表記が定着)。和名はタマザキツヅラフジ(玉咲蔓藤)。台湾・中国南部から北ベトナムに分布し、南西諸島での産出記録もある。灰褐色の球状〜扁球状の塊根から細い蔓茎が立ち上がり、葉柄が葉身の中央に付く楯形(peltate)の葉を展開する。雌雄異株で、夏に小さな黄緑色の散形花を付け、秋に赤い液果を結ぶ。塊根からは抗炎症・抗ウイルス薬セファランチンが抽出され、日本で1942年から医薬品として用いられてきた背景を持つ、植物学的にも薬学的にも縁の深い種。
育て方
置き場所・日当たり
_001.jpg)
台湾や中国南部の石灰岩地・低山の林縁で、半日陰〜明るい日向に蔓を伸ばして育つ。生育期は屋外の明るい半日陰〜午前中の柔らかい直射が当たる場所が理想で、強光下では葉が硬化して縮みやすい。日本の真夏は遮光30〜50%で葉焼けと蒸れを避け、棚上で風を通す。蔓は支柱や行灯仕立てに絡ませると姿が整い、放任すると鉢縁から垂れて広がる。落葉後の休眠期は雨の当たらない明るい室内へ取り込み、窓辺で管理する。
水やり
生育期は表土が乾いてから鉢底に抜けるまでたっぷり。受け皿に水を残さない。秋の落葉開始で水を絞り、休眠期は完全断水〜月1回の霧吹き程度で乾燥越冬する。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。塊根の半分は土から出して植えると蒸れにくい。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。与えすぎは蔓が間延びし塊根の太りが鈍る。控えめが基本。
温度・冬越し
生育適温22〜32℃、最低5℃が目安。亜熱帯系で erecta より耐寒性があり、乾燥していれば短時間の3〜5℃にも耐えるが、湿土+低温は致命傷。落葉後は明るい室内窓辺で乾燥越冬させる。
.jpg)
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。水面に残るものは発芽の見込みが低めの目印。種子は鮮度が落ちやすく、入手後はできるだけ早く播きたい。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌しておくと安心。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて並べる。
光・温度
明るい日陰またはLED環境で、22〜28℃を保つ。発芽は遅く不揃いで、2週間〜1〜2ヶ月かかる。加温マットで温度を安定させ気長に待つ。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回、ごく控えめに与える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、棚上で送風
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: LED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ。蔓性なので暗いと細く間延びしやすい
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種を入手次第播く、加温マットで22〜28℃維持
注意点
全草にビスベンジルイソキノリン系アルカロイド(セファランチン他)を含む。誤食は危険なので、剪定や植え替え時は手袋着用、口や目に入れない。休眠中の塊根は過湿で容易に腐敗するため、断水管理を徹底する。


