(A.Cunn. ex G.Don) F.Muell. が Fragmenta (1858) で記載した、オーストラリア東部のニューサウスウェールズからクイーンズランドにかけての沿岸 rainforest 縁辺に自生するアオイ科の高木。「Illawarra flame tree」の通称どおり、夏に葉を落として朱赤色のベル状花を樹冠いっぱいに咲かせる姿が圧巻で、種小名 acerifolius は「カエデの葉のような」を意味し、掌状に深く裂ける葉に由来する。自生地では樹高 30m を超えるが鉢栽培では矮性化し、塊茎が大きく膨らむ近縁の rupestris と違って幹はすらりと細身に育つ。
育て方
置き場所・日当たり

オーストラリア東部の沿岸 rainforest 縁辺やドライ・サブトロピカル林の出身で、強い日射と高湿度の組み合わせを好む。生育期は屋外で終日直射に当てると幹が締まり、葉柄も間延びせずカエデ様の葉が大きく展開する。日本の真夏は遮光30%程度を目安に、鉢を地面直置きせず棚上で風通しを確保する。冬は落葉して半休眠に入るが、rupestris よりやや耐寒性があり、軽い霜には短時間なら耐える報告もある。とはいえ氷点下は危険なので、最低5℃を目安に明るい室内窓辺へ取り込む。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え、幹と樹冠を充実させる。受け皿に水を残さない。落葉期は控えめにし、乾湿のメリハリで休眠リズムを作る。完全断水まではしない。
用土
水はけと適度な保水を両立させる。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。rainforest 出身なので軽石比率を上げすぎず、深鉢で根域を確保する。鉢底石を厚めに敷く。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1〜2回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。成長は速く、適量を与えると幹も太りやすく開花も早まる。多肥は徒長と軟弱化の原因。
温度・冬越し
生育適温22〜32℃、最低5℃が目安。属内では rupestris と並んで比較的寒さに強く、乾いていれば軽い霜にも短時間耐えるが、湿土+低温は致命傷。落葉後は乾かし気味にして明るい室内窓辺で越冬する。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
種子は莢の中で刺激毛に覆われているので素手で扱わない。殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まないものは充実度が低く発芽率も下がりやすい。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌しておくと安心。
播種方法
種子は5mm前後と扱いやすく、軽く押し込んで5mm程度の覆土。種子間隔は2cm以上空け、密集させない。手袋を着けたまま素早く並べる。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を維持。発芽日数は7〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種であれば発芽しやすい部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回、控えめに与える。成長は速いので濃く与えなくてもよく伸びる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに
徒長
- 原因: 光量不足、高温過湿
- 予防: 発芽後すぐLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マットで25〜30℃維持
注意点
種子周りの刺激毛が皮膚と粘膜を刺激するので手袋必須。
