メキシコ北東部・コアウイラ州とヌエボレオン州の石灰岩崖に自生する小型球形サボテン。和名「白星(しらぼし)」の通り、全体が羽毛のような純白の細刺に覆われ、雪の塊を思わせる姿が際立つ。単球でも直径 6〜7cm に留まるが、自生地では群生して 30cm 級のコロニーを作ることも珍しくない。晩冬から春にかけて淡い白〜淡桃色の小花を輪状に咲かせる。マミラリア属はサボテン科全般 CITES 附属書 II の対象、本種は属レベルの監視下にある。IUCN 評価は Least Concern。サボテン入門種として扱いやすく、実生からも育てやすい部類。
育て方
置き場所・日当たり

石灰岩崖の強い日射に適応しているため、生育期は終日直射日光が当たる場所を好む。日本の真夏は遮光 20〜30% 程度で表皮の焦げを防ぐ。群生株は通気が特に重要で、鉢を棚上に置いてサーキュレーターを活用すると蒸れを防げる。冬の休眠期は雨を避けて 5℃ 以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、断水気味に管理する。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理する。過湿と根腐れに注意。休眠期は断水気味、月 1〜2 回霧吹き程度に。
用土
水はけ最優先、無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。腰高鉢を選ぶと乾湿のメリハリが付けやすい。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料を少量、月 1 回程度の液肥(規定の倍以上に薄める)で十分。与えすぎは球体の間延びに直結する。控えめに締めて作る。
温度・冬越し
生育適温 22〜35℃、暑さに強い部類。冬は雨を避けた明るい室内窓辺で乾燥越冬、最低 5℃ が目安。湿土と低温の組み合わせが最大の事故要因。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール・SUPERthrive または希釈海藻エキス等)を規定倍率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。入手後はなるべく早く播種するのが安心。
用土
実生用に細粒・無菌寄りの用土を別に用意。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は 1cm 以上空け、重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰で 22〜28℃ を安定維持する。発芽日数は 7〜14 日。鮮度の良い種であれば発芽しやすい部類で、揃って芽吹きやすい。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。小さな刺が見え始めた頃から薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開(〜1ヶ月)
腰水を継続し、明るい日陰で管理。
腰水卒業(1〜2ヶ月目)
水位を下げ底面給水へ移行。
初回植え替え(1〜2年目)
無機質中心の通常用土へ。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 用土の雑菌、過湿、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレータで通気を確保
徒長・稜の間延び(Etiolation & body elongation)
- 原因: 光量不足、肥料過多
- 予防: 発芽後すぐに LED の距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
表皮の日焼け(Epidermal scorch)
- 原因: 急な強光、真夏の無遮光
- 予防: 環境変化は段階的に。盛夏は 20〜30% の遮光を入れる
注意点
羽毛状の白刺は折れやすく、触れると手に刺さる。

