メキシコ中部から中米コスタリカにかけて、テワカン-クイカトラン渓谷やオアハカ・モレロスの熱帯落葉林に自生するブルセラ属の小高木。属内では珍しく葉がほぼ単葉(時に3小葉)で、かつて B. simplicifolia として流通したのもそのため。最大の特徴は、葉や枝を折ると葉脈から赤橙色の樹脂を最大1.5m噴射する「スクワートガン防御」——化学生態学者 Judith X. Becerra の一連の論文で広く知られる、属内でも飛び抜けてユニークな化学防御を備えた一種。塊根樹形と防御の見せ場を併せ持つ、中級者向けの実生種。
育て方
置き場所・日当たり

テワカン-クイカトラン渓谷の石灰岩斜面のような明るく乾いた環境を本籍地とする強光・高温性種。生育期は屋外で終日直射日光に当てると、紙状に剥がれる赤橙〜灰褐色の樹皮が美しく発色し、幹も間延びせず詰まって育つ。日本の真夏の高温には比較的強いが、長雨と多湿は苦手なので雨ざらしを避け、棚上で風通しを確保する。冬は最低8℃を切る前に明るい室内窓辺へ取り込む。
水やり
生育期は表土が乾いてから鉢底から流れるまでたっぷり与え、風通しで素早く乾かす。ソノラ砂漠勢より夏雨地帯寄りで極端な乾燥は不要だが停滞水は厳禁。休眠期は完全断水。
用土
水はけ最優先で、赤玉土:鹿沼土:軽石を4:3:3が基本。微塵を抜いて根腐れを防ぐ。塊根基部の通気を保つ。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回程度。窒素過多は枝の間延びを招くため控えめにし、リン酸主体で幹の充実とコパル香を高める。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃、最低8℃が目安。ソノラ砂漠勢ほどの耐寒性はなく、5℃を切ると枝先が黒く傷む。冬は完全断水で明るく暖かい室内に置く。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
果肉が残っていれば洗い落とす。殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を7時間程度浸ける。鮮度が発芽率を大きく左右し、古い種子は中身が空のこともあるため、新鮮な種を入手後すぐに播くのが基本。
用土
細粒の無機質用土を基本に、赤玉土細粒と日向土細粒を等量配合。播種前に熱湯か電子レンジで殺菌しておく。
播種方法
表面を平らに均し、種を寝かせて並べてからごく薄く覆土する。深植えは禁物。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を維持。加温マットで温度を安定させる。本種は属内ではやや発芽が遅めで2週間〜1ヶ月かかる。
水やり
発芽までは腰水で常時湿潤を保つ。発芽後も浅めの腰水を続け、急な乾燥を避ける。
肥料
本葉展開後、規定の半分以下に薄めた液肥を月1回。濃いと細根を傷める。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、明るい日陰で管理。単葉として開く。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換え、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに光量を上げる。光不足だと詰まった樹形になりにくい
種が発芽しない
- 原因: 鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マットで25〜30℃を安定維持
注意点
赤橙色の樹脂は衣類に強い染みを残し油性で落ちにくいので、作業時は手袋着用。




