Chautems が1995年に Gesneriana 誌で記載した、ブラジル・サンパウロ州の岩盤や崖の割れ目に自生する塊根性のシンニンギア。地上に半ば露出した木質の大きな塊茎(径15cmに達する)から、明るい緑色のハート型・縁が白く柔毛に覆われた葉を立ち上げ、晩春〜初夏に細長い管状の赤系の花を咲かせる。同じ崖生のレウコトリカ(断崖の女王)の系譜だが種小名は比較的新しく、近年コレクターの間で実生から育てる塊根として注目されてきた一種。
育て方
置き場所・日当たり

サンパウロ州の岩盤や崖の割れ目に自生する崖生コーデックスで、明るい光を好むがレウコトリカと同じく真夏の強光は苦手。生育期は半日陰〜遮光30〜50%程度で、葉柄が間延びしないギリギリの明るさをキープすると、葉の縁の白い毛が美しく出る。日本の真夏は風通し最優先で棚上に置き、午後の直射と高温多湿の組み合わせを避ける。落葉後の休眠期は雨の当たらない明るい場所か、室内窓辺で管理する。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり、ただしレウコトリカ感覚で攻めると塊根が腐る。秋に葉色が抜けてきたら水を絞り、休眠期は完全断水〜月1回の霧吹き程度で越冬する。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3を基本に、深鉢で塊根の半分以上を埋めて据える。崖に張り付く生育型なので根詰まりは比較的平気。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。与えすぎると葉が大きくなりすぎ塊根のフォルムが間延びするので控えめに。
温度・冬越し
生育適温15〜28℃、最低5℃が目安。冬は4〜6週間の低温(5〜10℃)を経験させると花芽が分化しやすい。湿土+低温は致命的なので、落葉後は完全乾燥で明るい室内窓辺へ取り込む。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
種子は非常に小さく扱いに注意し、ピンセットや細い筆先で 1 粒ずつ用土表面へ落とす。微細種子のため浸水は省略してもよいが、播種後の腰水に殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液を用いることで、立ち枯れ予防と発芽の立ち上がりを兼ねられる。
用土
実生用は無菌寄りに細かく組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。表面にミズゴケを刻んだものを薄く敷くと種子の流亡を防げる。事前に熱湯で殺菌しておく。
播種方法
種子は微細なので覆土はせず、湿らせた表土に置くだけ。湿度確保のために透明蓋やラップ(空気穴あり)で覆い、発芽まで乾かさない。
光・温度
明るい日陰またはLED環境で20〜25℃を維持。25℃を超えると発芽率が落ち腐敗が出やすい。発芽は2週間〜1ヶ月。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。微細種子は水流で流れやすいので、底面給水を徹底し上からの水やりは避ける。発芽後も腰水を継続。
肥料
発芽直後は不要。本葉が2〜3対展開してから、規定の倍以上に薄めた液肥を月1回ごく控えめに与える。早期施肥は徒長と腐敗を招く。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
2〜3ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1年目、塊根が小指先大になってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 高温多湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、25℃以下キープ、腰水の水換えをこまめに
徒長
- 原因: 光量不足、腰水+高温の組み合わせ
- 予防: LED距離を近づけ20〜25℃を維持。崖生の本種は光不足で葉柄が一気に伸びる
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度過多、覆土しすぎ
- 予防: 新鮮な種を小分けで購入、20〜25℃キープ、覆土なしで光発芽
注意点
塊根を深植えしすぎると蒸れる。
