メキシコ・グアナファト州 Xichú 周辺のごく限られた石灰岩台地(数 km² 程度)に自生する小型のサボテン。標高 1,200〜1,500m。1996 年に Glass & S.Arias により記載されたツルビニカルプス属の中では比較的新しい種で、Roberto Alonso への献名。球形〜短円柱、直径 5〜8cm の体に幅広い扁平な疣(tubercle)が螺旋状に並ぶ独特の外観をもつ。頂部に属内屈指の大きな桃〜マゼンタ色の花を咲かせる。POWO の accepted name は Turbinicarpus alonsoi Glass & S.Arias (1996)、IUCN は Endangered(EN)、CITES 附属書 I に掲載される。極狭分布のため違法採集の圧力が強く、野生個体群の保全状況は厳しい。
育て方
置き場所・日当たり
グアナファト州の石灰岩台地、標高 1,200〜1,500m で育つ種で、自生地は強光下だが日本の真夏の直射は表皮を焦がしやすい。生育期は屋外の明るい半日陰、または午前中だけ直射が当たる場所が適する。終日の強い直射は避けたい。日本の真夏は 30〜40% 程度の遮光と棚上での通風確保が無難で、サーキュレーターも有効。冬の休眠期は雨を避けて 5℃以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、断水気味に管理する。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリ。低成長で吸水量も少なく過湿に弱い。休眠期は断水気味、月1〜2回霧吹き程度に。
用土
水はけ最優先で無機質中心。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 3:3:4 を基本に、石灰岩自生のため少量の蛎殻粉や苦土石灰を配合するとよい。深鉢で主根を伸ばす。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、規定の倍以上に希釈して控えめに。低成長種のため肥料過多は徒長や疣の変形を招く。緩効性化成肥料は植え替え時にひとつまみ程度。
温度・冬越し
生育適温18〜30℃、最低5℃が目安。高温多湿に弱く、盛夏の熱帯夜は遮光と通気で支える。冬は乾かして越冬、湿土+低温は致命的。低成長のため植え替えは2〜3年に1回で十分。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
種子は約 0.5mm と微細。乾いたまま土表面に振りかける。腰水に殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を希釈混合した液を用いる。保管状態によって鮮度差が出るため、入手後はなるべく早く播種するとよい。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:バーミキュライト:軽石細粒 = 2:1:1 で、事前に熱湯か電子レンジで殺菌しておく。
播種方法
種子が極小なので覆土なし、土の表面に直接振りかけるだけ。爪楊枝の先で1粒ずつ間隔を空けると後の管理が楽になる。透明蓋やラップで湿度を保つ。
光・温度
明るい日陰で22〜28℃を維持。発芽は7〜21日程度で揃う。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。種子が極小で乾燥に弱いため、最初の1〜2ヶ月は乾かさないことを最優先する。透明蓋で湿度キープも有効。
肥料
発芽直後は不要。二次刺座が見え始めてから規定の倍以上に薄めた液肥を月1回、ごく控えめに。低成長種なので施肥過多は禁物。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
2〜3ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
2〜3年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、極小種子の埋没
- 予防: 用土殺菌、覆土なし播種、腰水の水換えをこまめに
徒長・稜の間延び
- 原因: 光量不足、肥料過多
- 予防: 明るい半日陰、施肥は規定の倍以上に希釈して控えめに
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 合法的に入手した新鮮な種を選ぶ、加温マットで22〜28℃を維持
表皮の日焼け
- 原因: 急な強光、夏の高温と強光の重なり
- 予防: 半日陰で管理、夏は30〜40%遮光を入れる
成長停滞・腐り
- 原因: 過湿、深植え、肥料過多
- 予防: 乾湿のメリハリ、根元を埋めすぎない、施肥は控えめに
注意点
CITES 附属書 I 掲載種。野生株の国際取引は禁止される。
