マダガスカル南東部、トラニャロ周辺の砂質の沿岸林に自生する小型のユーフォルビア。地中に塊根様の幹を持ち、地上にはさじ形やヘラ形の葉を低く広げます。葉色は緑、黒み、銀色、赤い葉脈と個体差が大きく、変異を楽しむ愛好家に人気です。POWO では Euphorbia decaryi var. decaryi の synonym とされますが、園芸流通では Euphorbia francoisii の名が定着しており、本サイトもこれに従います。自生地の縮小から IUCN レッドリストでは絶滅危惧種に分類され、CITES 附属書 I に掲載されています。
自生地の気候
雨は暖かい季節に集中し、はっきりした乾季がある。やや暑い気候。
※ 自生地の正確な分布データが少ないため、自生地のおおよその中心付近の気候で代用した値です。
出典:気候・標高 WorldClim 2.1(1970–2000)/分布点 GBIF/在来範囲 POWO/現在の天気 Open-Meteo
育て方
置き場所・日当たり
低地・砂質の沿岸林で明るい日射と乾季・雨季のはっきりした気候のもとに育つため、生育期は明るく風通しのよい場所を好みます。屋外では日本の盛夏のみ遮光 30〜40% 程度で葉焼けを防ぎ、それ以外は半日程度の直射に当てると葉が締まって色がよく出ます。地上部が低い葉物なので、直射が強すぎると葉が傷みやすく、明るい半日陰寄りでも姿は保てます。鉢は棚上に上げ、雨除けを基本に。冬は雨を避けた明るい室内窓辺へ取り込み、最低 8℃ を目安に乾かし気味で管理します。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理します。長雨と冬期の低温+過湿は地中の幹の腐敗に直結するため、雨に当てない位置で。葉を落とす休眠期は断水気味、月 1〜2 回霧吹き程度に。
用土
水はけ最優先、無機質中心で組みます。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。マグァンプ K 等を少量混ぜると初期成長が安定します。腰高鉢で乾湿のメリハリを付けてください。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料を少量、月 1 回程度の薄い液肥(規定の倍以上に薄める)で十分です。多肥は葉ばかりが茂って徒長し、地中の幹の充実が遅れます。控えめに育てるのが基本です。
温度・冬越し
生育適温 20〜32℃、最低 8℃ が目安。低地の沿岸性で寒さにはやや弱く、5℃ を下回ると葉や幹を傷めやすい傾向です。秋以降は段階的に水を絞り、雨を避けた明るい室内窓辺で乾燥越冬させます。
実生のはじめ方
種の入手先
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール 1000 など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸けます。水に浮いた種は中身が空のことが多い目安。種子の流通量が少ない種なので、入手後はなるべく早く播種するのが安心です。
用土
実生用に細粒・無菌寄りの用土を別に用意します。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておきます。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留めます。種子間隔は 1cm 以上空け、密集を避けて重ならないよう並べます。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃ を安定維持します。発芽日数は 7〜21 日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げます。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となります。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2 ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2 年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレーターで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに LED の距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
注意点
樹液は肌や目に入ると刺激になることがある。手や粘膜への付着に注意。野生株は CITES 附属書 I 規制対象、実生株を正規ルートで入手したい。












