(Lem.) Trel. が 1911 年に Calibanus 属へ整理した、メキシコ中北部 Hidalgo・San Luis Potosí の半乾燥岩石地に自生するキジカクシ科の塊根植物。属名はシェイクスピア『テンペスト』の怪物 Caliban に由来。直径 40〜100cm に達する黒灰色で深く亀裂の入ったコルク状の塊茎が地表に半埋没し、頂部から細い線状の灰緑色の葉を叢生してロゼットを作る。野生では岩塊と見分けがつかない独特の姿で、塊茎が見栄えするまで数十年を要する長期戦の品種。POWO 等の最新分類では Beaucarnea 属に統合され accepted name は Beaucarnea hookeri とされるが、流通界では Calibanus 名が定着しており、本サイトでも流通名を採用する。
育て方
置き場所・日当たり
メキシコ中北部の半乾燥山地・石灰岩斜面の出身で、強い直射を浴びて育つ。生育期は屋外で終日直射に当てると、塊茎の表面が締まり灰黒色のコルク質が深く刻まれ、葉も短く硬く整う。日本の真夏は遮光 20〜30% 程度で葉先の焼けと鉢内の蒸れを抑えたい。耐寒性は属内随一で、乾いていれば短時間 0℃ 近くまで耐えるとされるが、湿土+低温は致命傷。冬は雨を避けた明るい窓辺で乾燥越冬させる。
水やり
生育期は表土がしっかり乾いてからたっぷり、受け皿に水を残さない。塊茎に水を蓄えるため乾燥には極めて強く、与えすぎが最大のリスク。冬は月 1 回程度のごく控えめな水で十分。
用土
水はけと通気を最優先に無機質中心。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3。塊茎が深く座るので鉢は深めを選び、ドレンを十分に確保する。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月 1 回、または緩効性化成肥料を植え替え時に少量。痩せ地の植物で与えすぎは葉が間延びし、塊茎の締まりも失われる。
温度・冬越し
生育適温 22〜35℃、最低 5℃ 以上が安全圏。乾燥状態であれば一時的な低温にもよく耐え、原産地でも冬は冷え込むが、湿土+低温は腐敗の直接原因。明るい窓辺で乾燥越冬。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。水面に残る種は鮮度低下が進んでいる可能性が高い。雌雄異株で結実が限られるため、入手したら鮮度のあるうちに早めに播きたい。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌しておくと腰水管理でも腐敗を抑えられる。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土。種子間隔は 1cm 以上空け、密集を避けて並べる。
光・温度
明るい日陰または LED 環境で 25〜30℃ を保つ。発芽日数は 14〜30 日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。加温マットで温度を安定させると発芽もしっかり進む。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が伸び始めてから薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めて控えめに与える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2 ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2 年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに行い、風通しを確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐ LED 距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 雌雄異株で流通量が偏るため、鮮度の確かな種を選び 25〜30℃ を維持
注意点
塊茎が見栄えするまで数十年単位の長期戦。
