インド西部のグジャラートとラージャスターンを中心に、パキスタン南部からアラビア半島へ広がる乾燥地に分布する低木〜小高木。樹皮を傷つけると芳香樹脂を滲ませ、これがアーユルヴェーダで3,000年にわたり使われてきた「グッグル(guggul)」の原料で、関節炎や脂質代謝の伝統薬として現代まで採取が続く。盆栽様の節くれた幹と棘の付いた細枝が特徴で、コーデックス愛好家にも入手希望者が多い。過剰採取と生息地縮小により野生個体は8割以上減少したと評価され、IUCN 近絶滅種(Critically Endangered, 2015年評価)、2025年12月発効の CITES 附属書 II 掲載対象となった。
育て方
置き場所・日当たり

グジャラート〜タール砂漠縁辺の年降水量200〜500mmの乾燥地で、強い日射と乾いた風を受けて育つ。生育期は屋外で終日直射に当て、強光下で幹を太らせるのが基本となる。日本の真夏は猛暑下の急な土壌乾湿差で根を傷めることがあるので、半日陰へ寄せて葉焼けと根傷みを防ぐ。雨季のジメッとした多湿に弱いので、軒下管理で雨ざらしを避けると安心。冬は最低気温が8℃を下回る前に明るい室内窓辺へ取り込み、強光と低湿を保つ。風通しは年間を通じて重視したい。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてから鉢底から流れるまでたっぷり与え、与えた後は風で素早く乾かす。冬の休眠期は完全断水。
用土
水はけ最優先の無機質配合で、赤玉土:鹿沼土:軽石 = 4:3:3が基本。微塵を抜いて根詰まりと過湿を避ける。深鉢で乾湿のメリハリを付ける。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回程度。窒素過多は徒長を招き樹皮の風合いを損なうため、リン酸・カリ寄りで控えめに与える。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃で属内でも高温寄り。最低8℃が目安、5℃以下では幹に黒シミや軟腐が出やすい。冬は完全断水で明るい暖かい室内に置き、冷え込む夜は窓際から離す。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を7時間程度浸ける。鮮度が発芽率を大きく左右し、古い種子は中身が空のこともあるため、新鮮な種を入手後すぐに播くのが基本。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組み直す。赤玉土細粒:日向土細粒を1:1で配合し、播種前に熱湯または電子レンジで殺菌する。
播種方法
表面を平らに均し、種を横向きに置く。覆土はごく薄く、種子がうっすら見える程度に留める。深植えは禁物。
光・温度
明るい日陰で直射は避け、温度は25〜32℃を保つ。発芽日数7〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。加温マットで温度を安定させる。
水やり
発芽までは腰水で常時湿潤を保ち、発芽が揃ったら浅めの腰水に切り替えて根の伸長を促す。
肥料
本葉が2〜3枚展開してから、規定の半分以下に薄めた液肥を月1回。濃度過多は細根を傷める。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、湿度を保つ。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、通気確保、雨ざらし回避
徒長
- 原因: 光量不足、肥料の与えすぎ
- 予防: 生育期は終日直射、窒素肥料は控えめに
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
注意点
野生個体は CITES II(2025年12月発効)の規制対象。樹液に弱い毒性がある。5℃以下で軟腐が出やすい。





