メキシコ・ヌエボレオン州ガレアナ周辺の石膏(せっこう)の崖にだけ自生する単型属(1属1種)の小型サボテン。1991 年に George Hinton が発見し、翌年 Glass と Fitz Maurice が記載した。青緑色の球形〜やや円柱状の体に深い稜と白い綿毛が並び、頂部に桃色の小花を咲かせる。同じ崖でアステキウム・ヒントニーと共に育つ。POWO の accepted name は Geohintonia mexicana (1992)、IUCN は準絶滅危惧(NT)、CITES 附属書 II に掲載される。
自生地の気候
雨は暖かい季節に集中し、6か月ほど続く乾季がある。気温の年較差が大きく、冬は冷え込む温暖な気候。
※ 自生地の正確な分布データが少ないため、自生地のおおよその中心付近の気候で代用した値です。
出典:気候・標高 WorldClim 2.1(1970–2000)/分布点 GBIF/在来範囲 POWO/現在の天気 Open-Meteo
育て方
置き場所・日当たり
ヌエボレオン州の石膏の崖、標高 1,200〜1,350m の急斜面で強光を浴びて育つ種だが、日本の真夏の直射は表皮を焦がしやすい。生育期は屋外の明るい半日陰、または午前中だけ直射が当たる場所が適する。終日の強い直射は避けたい。日本の真夏は 30〜40% 程度の遮光と棚上での通風確保が無難で、サーキュレーターも有効。冬の休眠期は雨を避けて 5℃以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、断水気味に管理する。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリ。低成長で吸水量も少なく過湿に弱い。休眠期は断水気味、月1〜2回霧吹き程度に。
用土
水はけ最優先で無機質中心。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 3:3:4 を基本に、石膏質の自生地にならい少量の蛎殻粉や苦土石灰を配合するとよい。深鉢で主根を伸ばす。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、規定の倍以上に希釈して控えめに。低成長種のため肥料過多は徒長や稜の変形を招く。緩効性化成肥料は植え替え時にひとつまみ程度。
温度・冬越し
生育適温18〜30℃、最低5℃が目安。高地原産で高温多湿に弱く、盛夏の熱帯夜は遮光と通気で支える。冬は乾かして越冬、湿土+低温は致命的。低成長のため植え替えは2〜3年に1回で十分。
実生のはじめ方
種の入手先
播種前の処理
種子は約 0.5mm と微細。乾いたまま土表面に振りかける。腰水に殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を希釈混合した液を用いる。保管状態によって鮮度差が出るため、入手後はなるべく早く播種するとよい。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:バーミキュライト:軽石細粒 = 2:1:1 で、事前に熱湯か電子レンジで殺菌しておく。
播種方法
種子が極小なので覆土なし、土の表面に直接振りかけるだけ。爪楊枝の先で1粒ずつ間隔を空けると後の管理が楽になる。透明蓋やラップで湿度を保つ。
光・温度
明るい日陰で22〜28℃を維持。発芽は7〜21日程度で揃う。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。種子が極小で乾燥に弱いため、最初の1〜2ヶ月は乾かさないことを最優先する。透明蓋で湿度キープも有効。
肥料
発芽直後は不要。二次刺座が見え始めてから規定の倍以上に薄めた液肥を月1回、ごく控えめに。低成長種なので施肥過多は禁物。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
2〜3ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
2〜3年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、極小種子の埋没
- 予防: 用土殺菌、覆土なし播種、腰水の水換えをこまめに
徒長・稜の間延び
- 原因: 光量不足、肥料過多
- 予防: 明るい半日陰、施肥は規定の倍以上に希釈して控えめに
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 合法的に入手した新鮮な種を選ぶ、加温マットで22〜28℃を維持
表皮の日焼け
- 原因: 急な強光、夏の高温と強光の重なり
- 予防: 半日陰で管理、夏は30〜40%遮光を入れる
成長停滞・腐り
- 原因: 過湿、深植え、肥料過多
- 予防: 乾湿のメリハリ、根元を埋めすぎない、施肥は控えめに
注意点
CITES 附属書 II 掲載種。野生株の採集・取引は規制される。


