マダガスカル南西部・マハファリ高原のイタンポロ近郊にごく限られて自生する、属内でも分布が狭く流通量も少ない一種。Rauh が 1961 年に Adansonia 誌で記載、種小名はフランス人収集家 M.R. Montagnac への献名。柱状の中央幹から立ち上がる枝、葉より長い 2〜2.5cm の黒く尖った棘、1.5cm ほどの濃緑の小葉という組み合わせで、procera より棘が密で長く葉は小ぶりに見分けられる。IUCN「絶滅危惧 (EN)」評価で、自生地は標高 0〜500m の海岸沿いに 2〜5 か所しか確認されていない希少種。栽培情報も限られるため中級〜上級者向け。
育て方
置き場所・日当たり

マハファリ高原の砂質・石灰質 spiny forest で強烈な日射を浴びて育つため、生育期は屋外で終日直射に当てる。流通する個体は小苗〜中苗で根の張りが控えめなことが多いので、夏の急な強光には段階的に慣らす。日本の真夏は遮光20〜30%、棚上で風通しを確保。冬は8℃以上の明るい室内窓辺で乾燥越冬させる。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理する。procera よりやや過湿に敏感。秋以降は水を絞り、冬は断水。
用土
水はけ最優先で無機質中心に組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本で、procera より軽石を多めにして乾きを早めても良い。深鉢で根を真下に伸ばす。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性肥料を植え替え時に少量混ぜる。procera より反応が控えめなので、与えすぎは徒長を招くだけ。控えめにゆっくり太らせる。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃、最低8℃が目安。乾いていれば短時間の5℃近くにも耐えるが、湿土+10℃以下は致命的。一株の重みが大きいので、断水で完全に乾かしてから室内窓辺へ取り込む。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。属内でも特に流通量が少なく、沈まない種は鮮度切れの場合が多い。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、熱湯やレンジで事前殺菌。procera より幼苗の立ち枯れに弱いので殺菌は省かない。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は1cm以上空けて密集を避ける。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃をキープ。早ければ10日前後で発芽するが、揃いきるまで1ヶ月近くかかる。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。加温したまま気長に待つ。
水やり
鉢底1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾燥させず、発芽が揃ったら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回与える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、明るい日陰で管理。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレーターで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先から新鮮な種を入手し、加温マットで25〜30℃を安定維持
注意点
棘は特に長く(2〜2.5cm)密で先端が黒く硬いため、革手袋とトングで扱う。本種は IUCN「絶滅危惧 (EN)」評価でマハファリ高原に 2〜5 か所しか確認されない希少種。ディディエレア科は CITES 附属書 II、生株購入時は産地証明・輸入書類の有無を含め入手元を慎重に確認したい。

