南アフリカ・北ケープ州のリヒターズフェルトに極めて狭く分布する矮性の塊根性多肉。種小名 pygmaea は「矮小の」を意味し、地表近くを這うように広がる独特の小型樹形を作る。青緑色の小さな葉と地に這う枝振り、ぷっくり膨らむ塊根の組み合わせには盆栽的な妙味があり、属内でも特に造形的な人気を持つ。流通量は少なく成長も極めて遅いため、実生(みしょう)から育てるなら長い時間軸を覚悟したい中〜上級者向けの種。POWO 等の最新分類では Bruyns & Klak (2008) の研究により Ceraria 属が Portulacaria 属に統合され accepted name は Portulacaria pygmaea とされるが、流通界では Ceraria 名が定着しており、本サイトでも流通名を採用する。
育て方
置き場所・日当たり

リヒターズフェルトの岩石地〜砂礫斜面で強い日射と乾燥に晒されて育つ。生育期は屋外で終日直射に当てると葉が締まり地を這う枝姿が引き締まる。日本の真夏は遮光20〜30%で軽い葉焼けを防ぐ。鉢は棚上に上げて風通しを確保し、冬は5℃以上を保てる明るい室内窓辺で乾燥越冬させる。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリを徹底する。極乾燥地適応で属内でも特に過湿に弱く、namaquensis 以上にシビア。冬は断水気味、月1回の軽い霧吹きに留める。
用土
水はけ最優先で無機質中心に。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 3:3:4、または 2:3:5 で軽石比率をさらに上げてもよい。地を這う性質から浅鉢が合う。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性肥料を植え替え時にごく少量。与えすぎは枝の間延びと姿の崩れを招く。年単位で塊根を太らせる意識で控えめに。
温度・冬越し
生育適温20〜30℃、最低5℃が目安。**自生地は冬雨地帯だが、近縁の Portulacaria afra と同じく栽培では夏型として扱うのが通例。**日本では湿気が多いため、5℃以上の明るい室内窓辺で乾燥維持するのが安全。湿土+低温が最大の事故要因。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。浮いた種は鮮度落ちのサイン。流通量が極めて少なく古い種が混じる確率が高いので、入手したら早めに播きたい。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、熱湯やレンジで事前殺菌。本種は特に立ち枯れに弱いので省かない。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土。種子間隔は1cm以上空けて密集を避ける。
光・温度
明るい日陰で22〜28℃をキープ。発芽は不揃いで、早くて2週間、遅いと1〜2ヶ月かかる。加温マットで温度を安定させ気長に待つ。
水やり
鉢底1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾燥させず、発芽が揃ったら段階的に水位を下げる。幼苗時から過湿に弱いので卒業は早めに。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回。幼苗は極めてゆっくり育つので焦らない。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、明るい日陰で管理。
腰水卒業
namaquensis よりさらに早めに進める。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから浅広鉢へ。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレーターで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足。本種は強光下で枝が短く詰まる性質があるため、光量不足は形に直接影響する
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先から新鮮な種を入手し、加温マットで22〜28℃を安定維持。本種は流通量が少ないため、鮮度が落ちている確率が他種より高い
注意点
顕著な毒性報告はないが樹液は注意。リヒターズフェルト固有種のため信頼できるルートで入手したい。


