ナミビア北西部〜中北部(ダマラランド〜カオコフェルト、オタヴィ山地)の岩礫地に自生する、属内最大級の塊根樹。Dinter & Gilg が 1912 年に Cissus juttae として記載し、1968 年に Descoings が現在の Cyphostemma 属に再分類した。樹高は 2m 前後、ふっくらと膨らんだ塊状の幹に、剥がれ落ちる薄紙状の黄白色樹皮、3 出複葉の大ぶりな葉、夏に小さな黄緑の花、秋に房状の赤い果実を付ける。CITES の対象外で種子も生株も流通量が多く、塊根植物の入門種としてよく知られる夏型の基本種。
育て方
置き場所・日当たり

ナミビアの夏雨地帯、年降水量 100〜200mm 程度の岩礫地で強い日射と乾燥に晒されて育つため、強光を好む。生育期は屋外で終日直射に当てると、塊根の白っぽい樹皮が締まり葉柄も短く仕上がる。日本の真夏は遮光 20〜30% で軽い葉焼けと蒸れを防ぎつつ、棚上に置いてサーキュレーターで風を通す。秋に葉を落としたら雨を避けた明るい室内窓辺へ取り込み、5℃ 以上を保てる場所で乾燥越冬させる。比較的丈夫で日照さえ確保できれば締まった姿に育ちやすい。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理。葉が大きい分蒸散量は多めだが過湿は禁物。秋に葉色が変わり始めたら水を絞り、冬は断水で越冬。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。塊根が太くなる種なので深鉢で根を伸ばし、乾湿のメリハリを付けると幹が引き締まる。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月 1 回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。葉を旺盛に展開する種なので適度な施肥には反応するが、与えすぎは葉柄の徒長と幹の間延びを招く。
温度・冬越し
生育適温 22〜35℃、最低 5℃ が目安。落葉後は完全断水で明るい室内窓辺へ取り込めば 5℃ 程度の低温には耐える。湿土+低温は致命的。春に新芽が動き出したら段階的に屋外へ戻す。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。水に浮いた種は発芽の見込みが薄い目安。種皮がやや硬いので、爪やすりで軽くこすって傷を付けると吸水が安定する。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。本種は葉が大きく徒長しやすいので、用土は事前に殺菌しておくと安心。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は 1cm 以上空けて密集を避ける。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃ をキープ。発芽は早ければ 1 週間、遅くとも 3 週間程度でほぼ出揃う。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種であれば発芽しやすい部類。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、明るい日陰で管理。
腰水卒業
1〜2 ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2 年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレーターで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに LED 距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す。本種は葉が大きいので光量不足では葉柄が伸びやすい
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足、種皮の硬さ
- 予防: 新鮮な種を選び、加温マットで 25〜30℃ を維持。爪やすりで軽く削って吸水を促す
注意点
葉と樹液にシュウ酸カルシウムの針状結晶(raphides)を含み、皮膚や粘膜に刺激を与える。剪定や植え替え時は手袋を着用し、目や口に入れない。果実も毒性があり食用不可。




