米国南西部 Arizona・Utah・Nevada・California 東部の高地砂漠に自生する、アガベ属のなかでも際立つ耐寒性を持つ小型〜中型のロゼット種。標高 1,200〜2,400m の石灰岩崖や礫地に根を張り、自生地では −25〜−30℃に達する寒波をくぐり抜ける。灰青〜銀緑の葉は長さ 15〜40cm にまとまり、葉先には長い末端棘が伸びる。var. eborispina(エボリスピナ)の象牙色の長い棘は特に目を引く。産地・個体によって棘の長さ・色・葉幅がかなり異なり、複数の変種・亜種が知られる。CITES 対象外。
育て方
置き場所・日当たり

石灰岩の崖地で強烈な日射と乾いた冷風を受けて育つため、強光と通気を必要とする。生育期は屋外の棚上で終日直射日光に当てると、ロゼットが締まり葉色の銀みも乗りやすい。日本の真夏の高湿度・熱帯夜は本来の自生地より過酷なため、明るい風通しのよい場所に置き、軽い遮光 20% 程度で過剰な葉焼けを防ぐとよい。耐寒性は属内最強クラスで、関東以南なら軒下越冬も視野に入る。長雨の冬は雨を避けた軒下か明るい室内に移す。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり与え、その後しっかり乾かす。長雨・通気不良の過湿で芯腐れが起きやすい。冬は断水気味、月 1〜2 回程度に絞る。
用土
水はけ最優先の無機質中心。赤玉土小粒:軽石:鹿沼土小粒 = 4:3:3 が基本。腰高の鉢で乾湿のメリハリを付け、芯に水が溜まりにくい構造にするとよい。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料(マグァンプ K 小粒など)を用土表面に少量置き肥し、4〜9月の間は月 1 回、規定の半量程度に薄めた液肥を追加する。多肥は葉が間延びし、締まったロゼットが崩れる。
温度・冬越し
生育適温 18〜32℃。耐寒性は属内最強クラスで、栽培下では −10℃を基準に、乾燥状態なら −15℃まで耐えた記録もある。冬の断水と雨避けが前提で、関東以南なら軒下越冬の余地が大きい。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000 など)と活力剤(メネデール等)を規定希釈率で混ぜた液に半日浸ける。浮いた種は鮮度切れの可能性が高い。
用土
実生用に細粒・無菌寄りの用土を別に用意。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
平たい中型種子を覆土なし、または見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は 1cm 以上空け、密集を避けて並べる。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃を安定維持する。発芽日数は 7〜21 日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら腰水の水位を段階的に下げていく。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与える。与えすぎると徒長につながる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開(〜1ヶ月)
腰水を継続。明るい日陰で管理。
腰水卒業(1〜2ヶ月目)
水位を段階的に下げ、受け皿給水へ。
初回植え替え(1〜2年目)
根が鉢底まで回ってきたら適期。
よくある失敗
芯腐れ
- 原因: 長雨・通気不良・水が芯に溜まる
- 予防: 雨ざらしを避け、上から水をかけずに鉢縁から与える
葉焼け
- 原因: 急に直射日光へ移したことによる組織壊死
- 予防: 1〜2 週間かけて段階的に光量を上げて慣らす
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLEDの距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
注意点
葉先の棘が鋭く硬い。


