カナリア諸島の乾いた海岸斜面を象徴する低木「バルサミフェラ」。風に削られて地を這うように広がる枝と、雨季にだけ開く小さな葉が、ランサローテやフエルテベントゥラの「タバイバル・ドゥルセ」と呼ばれる群落をつくる。北西アフリカ大陸のモロッコ南部から西サハラ、モーリタニア、セネガル北部まで点々と分布する古くからの乾燥地植物。涼しい季節に動き、真夏は休む冬型寄りの性質を持ち、株姿はゆっくりと木質化していく。樹液は他のユーフォルビアに比べれば穏やかとされるが、皮膚や粘膜に触れると刺激になる。
育て方
置き場所・日当たり

カナリア諸島の海岸線で潮風に削られながら育つ種なので、強光と風を好み、湿気のこもった環境を嫌う。生育期にあたる秋〜春は屋外の日当たりで育て、葉を展開させる。日本の盛夏は休眠寄りになり葉を落としやすいので、半日陰で雨を避け、風通しのよい棚上げで管理。冬は最低気温が下がる地域では明るい室内窓辺へ取り込む。
水やり
冷涼期に動くタイプなので、秋から春にかけて表土がしっかり乾いてからたっぷり与える。真夏は葉を落として休む傾向があり、月1〜2回霧吹き程度に絞る。長雨と過湿は根腐れに直結するので軒下管理が安心。
用土
水はけ最優先、無機質中心で組む。赤玉土小粒:軽石:鹿沼土小粒 = 4:3:3が基本。マグァンプKを少量混ぜると初期成長が安定する。腰高鉢で乾湿のメリハリを付けたい。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料を少量、月1回の薄い液肥(規定の倍以上に薄める)で十分。与えすぎると徒長して枝が間延びし、木質化のペースも崩れやすい。
温度・冬越し
生育適温18〜30℃、最低5℃が目安。冬の冷え込みには比較的弱く、湿土+低温は致命傷となる。秋以降は徐々に水を絞り、最低気温が5℃を下回る前に明るい室内窓辺へ。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まないものは中身が空のことが多い目安。
用土
実生用に細粒・無菌寄りの用土を別に用意。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰で20〜26℃を安定維持する。発芽日数は10〜28日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌
- 予防: 用土殺菌、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マット使用
注意点
樹液は肌や目に入ると刺激になることがある。手や粘膜への付着に注意。



