マダガスカル北西部・ソフィア地方の玄武岩台地にごく限られた範囲で自生する希少なユーフォルビア。やや木質化した茎の基部に塊状の貯水組織を持ち、雨季にしなやかな細枝と葉を展開して鮮やかな黄色い苞葉(ほうよう)を見せる、半多肉性の小低木です。1942 年に Boiteau が記載したマダガスカル固有種で、自生地はアナララヴァ周辺の限られた範囲に留まり、IUCN レッドリストでは絶滅危惧種(EN)に分類されています。属全体が CITES 附属書 II に掲載されており、種苗の輸出入には登録業者からの正規ルート(CITES 証明書)が必要です。流通量は少なく、実生で殖やされた株が愛好家のあいだで静かに受け継がれてきました。
育て方
置き場所・日当たり

北西マダガスカルの強い日射と乾季・雨季のはっきりした気候のもとで育つため、生育期は明るく風通しのよい場所を好みます。屋外に出す場合は日本の盛夏のみ遮光 30〜40% 程度で軽く葉焼けを防ぎ、それ以外は半日以上の直射に当てると枝が締まって徒長しにくくなります。鉢は地面に直置きせず棚上に上げ、雨除けを基本に。冬は雨を避けた明るい室内窓辺へ取り込み、最低 10℃ を目安に乾かし気味で管理します。自生地の標高は低くマダガスカルとしては寒さに弱い部類で、5℃ 近くまで下げると葉や枝先を傷めることがあります。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理します。長雨と冬期の低温+過湿は塊根の腐敗に直結するため、雨に当てない位置で。落葉した休眠期は断水気味、月 1〜2 回霧吹き程度に。
用土
水はけ最優先、無機質中心で組みます。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。マグァンプ K 等を少量混ぜると初期成長が安定します。腰高鉢で乾湿のメリハリを付けてください。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料を少量、月 1 回程度の薄い液肥(規定の倍以上に薄める)で十分です。多肥は徒長で枝が間延びし、塊状基部のフォルムが崩れます。控えめに太らせるのが基本です。
温度・冬越し
生育適温 20〜32℃、最低 10℃ が目安。同属の南ア産種より寒さに弱く、5℃ 付近で枝先の傷みが出やすい傾向です。秋以降は段階的に水を絞り、雨を避けた明るい室内窓辺で乾燥越冬させます。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール 1000 など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸けます。水に浮いた種は中身が空のことが多い目安。種子の流通量がもともと少ない種なので、入手後はなるべく早く播種するのが安心です。
用土
実生用に細粒・無菌寄りの用土を別に用意します。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておきます。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留めます。種子間隔は 1cm 以上空け、密集を避けて重ならないよう並べます。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃ を安定維持します。発芽日数は 7〜21 日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げます。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となります。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2 ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2 年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレーターで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに LED の距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
注意点
樹液は肌や目に入ると強い刺激になることがある。手や粘膜への付着に注意。野生株は CITES 附属書 II 規制対象、正規ルートでの入手を。



