南アフリカ・東ケープ州の半乾燥低木地に自生する小型ロゼット種。和名「雫石(しずくいし)」のとおり、葉先が球状にふっくらと膨らみ、透明な「窓」が大きく広がる。JP 流通では「オブツーサ」の名が圧倒的に定着し、多肉植物・ハオルチア入門の定番として広く知られる。POWO では現在 Haworthia cymbiformis var. obtusa (Haw.) Baker を accepted name としているが、JP 流通では H. obtusa Haw.(1825)の名が定着しているため、本サイトはこれを主表示とする。OB-1 やドドソンオブツーサなど多数の選抜系統が流通するが、本ページは原種についての記述である。
育て方
置き場所・日当たり

自生地では低木の根元や岩陰に半埋没した状態で育ち、強い直射日光は本来の生育環境ではない。日本の真夏(30℃超)は半休眠に入り、強光と高温が重なると葉が赤茶けて窓が濁る。3〜5月・9〜11月の春秋成長期は50%程度の遮光下で柔らかな光を当て、真夏は遮光を高めるか明るい日陰へ移す。室内ではレースカーテン越しの東〜南東窓が扱いやすい。屋外管理の場合は棚上で風通しを確保し、地面への直置きを避ける。冬は無加温の明るい室内窓辺で十分。
水やり
春秋の成長期は用土が乾いてからたっぷり与え、表土が乾く周期で繰り返す。盛夏と真冬の半休眠期は控えめに、月1〜2回軽く湿らす程度に絞る。
用土
水はけと保水のバランス重視。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 を基本に、細根性なので細粒寄りに調整する。
肥料・活力剤
成長期に薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めて与える程度で十分。多肥は葉が間延びし窓の透明感も鈍くなる。
温度・冬越し
生育適温15〜28℃、最低3℃が目安。乾いていれば0℃近くまで耐えるが、湿土+低温は根を傷める。真冬は明るい室内窓辺で乾燥越冬させる。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート・ダコニール等)と活力剤(メネデール等)を混ぜた液に半日浸ける。保管状態によって発芽力の維持期間は変わるため、採取年度を確認できる入手先を選び、入手後は早めに播種する。
用土
赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 を電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。表面を平らに整えると微粒種子が均一に乗る。
播種方法
ほぼ覆土なしの表面播きが基本。種子が細かく散らばりやすいので、湿らせた爪楊枝の先で1粒ずつ置く方法が置きやすい。種子間隔は5mm以上空ける。
光・温度
明るい日陰で22〜28℃を安定維持する。発芽日数は7〜21日。適切に保管された種子であれば発芽はおおむね揃う。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の3〜4週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与える程度で十分。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開(〜2ヶ月)
腰水を続け、明るい日陰で管理する。
腰水卒業(2〜4ヶ月目)
水位を段階的に下げ、底面給水へ。
初回植え替え(1〜2年目)
根鉢が回ったら細粒用土へ移す。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 用土の雑菌、過湿、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレータで通気を確保
葉焼け・窓の濁り
- 原因: 強光、真夏の高温との重なり、急な環境変化
- 予防: 春秋は50%程度の遮光、真夏は明るい日陰へ、環境変化は1週間かけて慣らす
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 採取年度を確認できる入手先を選ぶ、加温マットで22〜28℃を安定させる
親株と同じ姿にならない
- 原因: 流通の「オブツーサ」系の多くは選抜クローンで、原種実生では同じ形質が再現されにくい
- 予防: 特定の選抜系(OB-1、ドドソンオブツーサ等)の姿を求めるなら、子株・葉挿し苗が確実
注意点
属レベルで毒性の報告はない。
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